演劇実験室 万有引力
演劇実験室◎万有引力
- 言語（ラジオシナリオ）：寺山修司
- 構成・演出・音楽・美術：J. A. シィザー
- 共同演出・構成台本：郄田恵篤
- 照明：松本明宏、田中耕作（BE NATURAL）
- 音響：尾崎弘征
- 演奏：AsianCrack Band
- 出演：郄田恵篤、伊野尾理枝、小林桂太、テツ、村田弘美、他
- 劇場：座・高円寺
- 評価：☆☆☆★
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寺山修司の「ラジオのための叙事詩」コラージュ構成による、と副題にあった。
ずっとがんがん音楽がなり、ちかちかとした照明と暗転が繰り返される騒がしい舞台だった。原作は寺山のラジオ・ドラマなのだろうか？ 「青ひげ」をラジオ・ドラマでやることになって、その上演、録音の様子が舞台上で再現されるというのが基本的な流れだったように思う。思う、っていうのはあれだけがんがん音が鳴っていた舞台にもかかわらず、寝不足がたたってうつらうつらしながらの半睡状態での観劇になってしまったので、よくわからないのだ。
天井桟敷の正統的後継者である万有引力による、寺山演劇の様式美の世界。美術、音楽、演出ともよくできているけれども、「今」の時代を切り開く創造の活力に欠けているような気がする。前衛と言うよりは回顧、寺山の面影を懐かしむ人のための芝居に思えてしまうのは、芝居を観る以前にそういう固定観念に私が囚われてしまっているからかもしれないが。
