- 上映時間:114分
- 初公開年月:2011/08/20
- 監督:SABU
- 原作:宇仁田ゆみ
- 脚本:林民夫、SABU
- 撮影:柳田裕男
- 特殊メイク:中田彰輝
- 美術:秋葉悦子
- 衣裳:宮本まさ江
- 編集:坂東直哉
- 出演: 松山ケンイチ、香里奈、芦田愛菜、高畑淳、池脇千鶴、風吹ジュン、中村梅雀
- 映画館:新宿ピカデリー
- 評価:☆☆☆
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原作漫画は全9巻で完結している。iPadでも読めるが、iPad版は5巻までしか出ていない。私はiPad版を読んでいる。30歳の独身サラリーマンが、祖父の隠し子である6歳の娘を引き取って育てる話。特殊な設定の疑似家族ものであるが、子供を持ち、一緒に生活する楽しみ、喜びが、素直に丁寧に書かれていて、共感できるところが多い。
映画版でこの疑似父娘を演じるのは松山ケンイチと芦田愛菜。二人とも巧い、そしてとても可愛らしい(松山も)。風吹ジュン、そして中村梅雀といった脇の役者たちも、温かいほんわかした雰囲気を作り出している。舞台やテレビでは活躍しているようだが、中村梅雀の姿を私が見るのは久々だった。出番はそれほど多くはないけれど、存在感があって何か嬉しい。彼の歌舞伎がもうおそらく見ることができないのが本当に残念だ。丸顔で好々爺といった雰囲気だけれど、歌舞伎のときの彼は本当に格好いいのだ。
人物造形やそれらを作り出す役者たちはよかった。香里奈が険のある年増姐さんみたいになっていたのがちょっとショックだったが。
原作の人物設定を用いながらも、話はオリジナルといっていいものだった。脚本と演出は今ひとつ。ドラマを作ろうとして展開が不自然なところがある。特にクライマックスの捜索場面、あれはあり得ない。白けてしまった。音楽の使い方もベタすぎる。台詞もときに説明的すぎてわざとらしい。「泣かせ」芝居の悪い定型といった感じだった。