無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部 | フェスティバル/トーキョー FESTIVAL/TOKYO トーキョー発、舞台芸術の祭典
- 作・演出:ルネ・ポレシュ
- 美術:ベルト・ノイマン
- 製作:フォルクスビューネ、ベルリン
- 会場:豊洲公園西側横 野外特設会場
- 上演時間:90分
- 評価:★
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ベルリンの先鋭的劇場の一つ、フォルクスビューネの公演。作・演出はルネ・ポレシュ。豊洲の湾岸にある公園での野外公演だった。18時開演で上演時間は90分。
豊洲にはキッザニアがあるのでこれまで何度か来たことがあるが、夕暮れ時の湾岸の景観は広々として圧巻だ。にょきにょきと立つ直方体の高層マンションの背景には澄んだ夕空が美しいグラデーションを描いている。この景観をバックにした野外劇だった。有名なイタリア映画のスタジオ、チチネッタが再現される。ロッセリーニやフェリーニの映画の引用がちりばめられていたようだが私にはよくわからなかった。台詞と展開に脈絡がなくて、追っかけることができなかった。
座席は整理番号つき自由席。かなり早い番号を貰っていたのだが、到着が遅れてしまい、前から六列目に座った。右手にある大型スクリーンの字幕と映像は見ることができたが、演技場も客席と同じ平面上なので、ほとんど見えなかった。声だけが聞こえる。セットの裏側や内部での芝居もあり、基本的にはスクリーンを通して間接的に役者たちを見るというかたちだったのだろうけど、フラストレーションがたまった。前半は字幕しか見えなかった。しかも映像は必ずしも役者を追っていなかった。前方で何かをやっている役者の姿は見えず声しか聞こえなかった状態だった。「見えへんやないか、なんやねん」と憤って当然だと思う。新橋演舞場三階席の左側よりひどい。これでチケット代は5000円はないだろ。
台詞も漢字ばっかりの堅苦しいもので、難解で意味不明の文言の羅列。しかも役者はずっと怒鳴っている。途中で字幕を追う注意力も切れた。早く終わらないかな、と思いながら椅子に座っていた。金と時間がもったいなかった。
終演後、思わぬ大喝采。はいはい。客を選ぶ芝居なのね。私は選ばれなくて光栄だと思った。