閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ノマ

リクウズルーム
http://reqoo-zoo-room.jp/

  • 作・演出:佐々木透
  • 宣伝・美術:青木祐輔
  • 照明:南 星(Quintet☆MYNYT)
  • 出演:榎本純子(月刊口遊)、小田さやか、尾杉悠(害獣芝居)、春日井一平(劇団上田)、片岡佐知子(ク・ナウカ)、くにとうまゆみ

、黒木絵美花、鈴木燦、タカハシカナコ、葉山勇気、平吹敦史(元バビィ)、山田裕子(第七劇場)、渡邊晴樹、佐々木透

  • 劇場:小竹向原 アトリエ春風舎
  • 評価:☆☆
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当日パンフに記載されているストーリーの内容は、夢を再現したかのような幻想的でロマネスクな物語でかなり面白い。その奇妙な物語を図示化した人物相関図からたちのぼるいかがわしさ、演出家のことばの作為的なもっともらしさなど、上演以前に多くのギミックが設定されていて、芝居への期待が高まった。しかしストーリーで提示されている内容が舞台上で再現されるのかと思えば、実際に展開したのはシュールレアリストの自動記述を思わせるナンセンスなコントの連続だった。ほんのちょっとだけ「やられた」と思った。自由すぎる連想ゲームのように言葉がリズミカルに連なっていき、かみ合わない対話が延々続く。一応、当日パンフで紹介されていたストーリーは一応舞台上で再現されていたようだが、台詞はまったくそのストーリーとは関連ないものを連ねるという趣向だったのだ。
これを80分にわたって徹底してやったのは、ある意味、たいしたものだと思う。(不覚にも)笑ってしまった箇所はあったけれど、全体としてはそれほど面白かったわけではない。仲間内の余興ならばともかく、そうでない人間が金と時間を使ってこの芝居を楽しむことができるとは私には思えない。こういった拒否反応を示す客の存在も想定済で、それもまた趣向の一つなのだろうが。