劇団若獅子
- 原作:エドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』
- 翻訳:楠山正雄
- 翻案:額田六福
- 潤色・演出:田中林輔
- 演出:澤田正十郎
- 美術:中嶋正留
- 照明:亀井宣行
- 音楽:園田容子
- 出演:笠原章、河原崎國太郎、横内正、森山隆、南条瑞江
- 劇場:六本木 俳優座劇場
- 評価:☆☆☆★
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新国劇で上演されていたシラノの翻案劇だが、私が見るのはこれがはじめて。島田正吾、緒方拳による一人芝居のバージョンも見逃していた。
原作の設定、台詞、展開がほぼそのまま生かされている。芝居のテンポがいい。17世紀フランスから幕末日本への置換えがきっちりはまっていることに感心した。ただし大和撫子らしからぬヒロイン千種姫の人物造形には違和感を覚える。また辰野隆・鈴木慎太郎による名訳を思うと、この新国劇版は台詞が軽いのが物足りない。オリジナルで感じる重厚な修辞のもたらす快感は、今公演では乏しかった。