閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

アルルカン再び天狗に出会う

ディディエ・ガラス
HOME of Didier GALAS "(H)arlequin / Tengu bis"

  • 作・演出・出演:ディディエ・ガラス 
  • 台本執筆協力・翻訳:大浦康介
  • 仮面:Erhard Stiefel
  • 衣装:Moloko and Jean-François Guilon
  • 照明: Jérémie Papin
  • オペレーター:川島玲子(GEKKEN staff room)
  • 制作:伊藤拓也
  • プロデューサー:杉山準
  • 製作:NPO劇研、Ensemble Lidonnes
  • 劇場:北池袋 Atelier SENTIO
  • 評価:☆☆★
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ディディエ・ガラスの一人舞台は2010年の静岡での公演を見ている。強烈な印象を残した公演だった。2年前の静岡での公演の感想は、以下に記してある。http://t.co/rgP8tkua
この年に見た芝居のなかではこの作品がベスト2だった。アルレッキーノの中世フランス文学での起源に興味を持って調べ始めたのもこれがきっかけだったのだが。今回の公演もしたがって大いに期待して観に行ったのだが、三年前に静岡で見たのは幻だったのかと思うくらいつまらない公演だった。脚本はやせ細り、未成熟なアイデアのガラクタのようになり、前回の公演で提示されたアルレッキーノに関する壮大な物語/歴史は消滅していた。マイムの表現も粗い。時代と空間を自在に行き来するトリックスターの旅の雰囲気は今回の上演では乏しい。