閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

鈴本 秋の喬太郎まつり

喬太郎師匠がたっぷり時間をとって日替わりで二席聞かせる喬太郎まつり、18日の鈴本演芸場夜の部を観に行った。
5時半開演だったが私は6時到着。見た演目は以下のとおり。
歌武蔵「支度部屋外伝」、市馬「雛鍔」、アサダ二世奇術、喬太郎「禁酒番屋」、中入、ホームラン万歳、扇辰「茄子娘」、小菊、喬太郎「ハワイの雪」。

歌武蔵は相撲にまつわる漫談。相撲は長い間全然見ていないのだけれど、そんな私が聞いても面白い漫談だった。市馬「雛鍔」は品よくきっちりやっていたけれどつまらなかった。アサダ二世の脱力系奇術のあと、喬太郎の「禁酒番屋」。乗れなかった。眠ってしまう。仲入り後は、扇辰「茄子娘」がとても面白かった。基本は低いテンションで静かな語りで聞かせ、一箇所だけ声を上げる。扇辰の噺を聞いたのは今回が初めてだけれど、また聞いてみたい。

小菊の軽妙な語りと歌声を楽しんだ後、喬太郎の二席目「ハワイの雪」。お爺さんが若き日の幼なじみであり、恋人でもあった女性に会いにハワイに行くという、きわめてシンプルなストーリーだけれど、今日の演じられた他の演者のネタ(扇辰が私服で乱入する一幕も)、お爺さんと孫娘のやりとりの面白さで笑いをとりつつ、テンポ良く話を進める。そして最後の5分、演舞場全体が優しい抒情で包まれた。数十年ぶりの恋人との再会の場面のドラマの濃厚さは圧巻だ。ラストでは会場のあちらこちらでハンカチを出して目を拭いている人がいた。私も釣られて、泣いてしまったよ。娘も連れてきて聞かせたかったな。