閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

鍵泥棒のメソッド(2012)

  • 上映時間:128分
  • 製作国:日本
  • 初公開年月:2012/09/15
  • 監督:内田けんじ
  • 脚本:内田けんじ
  • 撮影:佐光朗
  • 美術:金勝浩一
  • 編集:普嶋信一
  • 出演:堺雅人香川照之、広末涼子、荒川良々森口瑤子

9/15(土)公開! 内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』公式サイト

細部まできっちりとつくられた工芸品のようなコメディ。細かい伏線が展開に生かされる。展開はスピーディーで軽やか。中年男が主人公のラブ・コメディ。最近、その演技のうっとうしさが足かせになっているように思える香川照之の個性もこの映画では上手に生かされている。
しかしお話自体に作り事感が強いこの手の喜劇は私の好みではない。内田けんじの作品は「運命じゃないひと」を見たことがある。とても面白い作品だったけれど、細かいパズルの芸を「すごいでしょ」と無邪気に披露するような感じが鼻についた。作劇の職人芸には感心するけれど、入り込めない作品だった。

『鍵泥棒のメソッド』の場合は、広末涼子演じるヒロインの人物造形が好みではなかったのが、私の抱いた拒否感の最大の要因だと思う。ある種の定型的ヒロインなのだけれど、あのしゃべり方と媚びが私は苦手だ。尻がむず痒くなる。そのヒロインの「中の人」である広末自身もあまり好きではないのだけど。見た目は可愛いけど、早稲田に推薦で入ったにもかかわらず、学校にろくに来ないまま退学というのが、今だ許せないのだ。