閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

夜叉が池

SPAC
夜叉ヶ池 ? SPAC

  • 演出:宮城聰
  • 作:泉鏡花
  • 音楽:棚川寛子
  • 舞台美術:深沢襟
  • 衣裳:竹田徹
  • 出演:永井健二、布施安寿香、奥野晃士、たきいみき、春日井一平、木内琴子、黒須芯、桜内結う、鈴木真理子、大道無門優也、中野真希、牧野隆二、三島景太、吉植荘一郎、若宮羊市
  • 上演時間:90分
  • 劇場:東静岡 静岡芸術劇場
  • 評価:☆☆☆
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台風接近のなか、片道1000円のバスにのって静岡芸術劇場にSPAC『夜叉ヶ池』を観に行った。宮城聰演出のSPAC版『夜叉ヶ池』は今回が再演だが、私は初演を観ていない。今日はバスが空いていて、二座席をひとりで占拠できる状態だった。劇場も空席がちらほらあった。

もののけたちの衣装、特に鯉の衣装デザインが奇抜で面白かった。しかし作品全体は正直なところ今一つ楽しめなかった。
棚川寛子さんの打楽器音楽が始終鳴っている舞台だけれども、全体的には地味な感じの作品だった。セリフが聞き取りにくくてことばが頭の上を通過していく。やりとりの内容がよくつかめないでいると、照明が暗めだったこともあり、すーっと意識を失っていた。せりがあがって夜叉ヶ池の妖怪たちが打楽器演奏で大騒ぎするエンディングはちゃんと見ていたけれど、半分くらい寝ていたせいもあって高揚感、解放感にひたることができない。
古典戯曲を読む会の立ち上げ人である奥野さん、東京の読む会の世話役でもある吉植さんは、今回の舞台では大活躍でそれぞれの持ち味を発揮していた。