読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ここからは山がみえる

演劇

青年団リンク RoMT 第4回公演

  • 戯曲:マシュー・ダンスター Matthew Dunster You Can See the Hills
  • 翻訳:近藤強
  • 演出:田野邦彦
  • 照明:西本彩
  • 音響:泉田雄太
  • 壁絵:鈴木健
  • 出演:太田宏
  • 上演時間:3時間20分(休憩15分)
  • 劇場:小竹向原 アトリエ春風舎
  • 評価:☆☆☆☆★

イングランドとスコットランドを分かつペナイン山脈のふもとにあるオールダムという田舎町で生活する少年の10代を、一人の俳優が3時間を超える語りによって再現する舞台。

サッチャー政権下の1980年代にアダムという名のこの少年は、山に囲まれたこの町で青春時代を過ごす。時系列に並ぶ大きく六つのエピソードからなるが、アダムは本当に成長しない。アダムは悪い奴じゃない。でも自分の欲求の発散だけが関心事で他人の気持ちなんて想像しない。女の子とやることが彼の最大唯一のテーマだ。

そのアダムが5幕の終わり頃になってようやく他者の存在に気を配ることができるようになる。はっと他人がいることに気付く。自分がどのような人間であるのか客観視できるようになる。性欲に振り回される馬鹿な少年が成長する瞬間の描写はとても印象的だ。

3年前にこの作品の初演を同じ会場で見た。今回は4/25と5/6の2回見ている。

『ここからは山がみえる』についてはまた改めて劇評を書く予定。