カンパニー・フィリップ・ジャンティ Compagnie Philippe Genty
- 作・演出:フィリップ・ジャンティ
- 共同演出:メアリー・アンダーウッド
- 音楽:アンリ・トルグ&セルジュ・ウッパン
- 出演:カンパニー・フィリップ・ジャンティ
- 上演時間:100分
- 劇場:渋谷 パルコ劇場
- 評価:☆☆☆☆
カンパニー・フィリップ・ジャンティは40年にわたって活動を継続しているカンパニーで、日本でこれまで何度か公演を行っているが、私が見るのは今回がはじめてだった。
男3人、女4人の7人の演者による一〇〇分のパフォーマンス。変幻自在といった感じで滑らかにシーケンスが移行していく。その変身ぶりはアニメーションを見ているようだ。
今回の舞台は色調が薄茶色に統一されて、視覚的には地味でシックだった。ショーは人形劇+ダンス+手品の見事なコンビネーションによる夢幻劇で、手品仕掛けのギミックが効果的に使われている。しかしギミックは主張しすぎておらず、バランスがいい。
連想ゲームのように軽やかに自由に推移していく夢の波に、想像力を任せるような感覚で舞台を見た。ゆったりとリラックスした気分でショーを楽しんだ。心地よい。
一番印象的だったのは小柄な女優のおっぱいと乳首の美しさ、愛らしさ。最前列でよかった。原則的な各シーケンスは全般的に抑制された感じ。舞台美術は大海原と月面のような荒涼とした風景。いずれも布と紙というシンプルな素材で作られる。
最後の走りながら姿を変えていく人形のシーケンスは素晴らしかった。人形の動きが精妙で、その造形にも惹き付けられた。ユーモラスで洒落た雰囲気の娯楽性の高いパフォーマンスだったが、物語性の薄さに少々物足りなさを感じた。