閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

劇団ゴキブリコンビナート展 「魍魎八景」

劇団ゴキブリコンビナート

  • 会場:銀座 ヴァニラ画廊
  • 評価:☆☆☆☆☆
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ゴキブリコンビナートのこの公演をもってヴァニラ画廊は新しい場所に移転するとのこと。私がはじめてゴキブリコンビナートの公演を見たのは6年前のヴァニラ画廊の公演だった。演劇公演ではなく観客が迷路となった画廊のなかを歩く巡回型パフォーマンス。今回は「大人が本当に怖いお化け屋敷」。 

 

家を出るのが遅れてヴァニラ画廊に到着したのは15時過ぎだった。整理券番号は27番。90分後にまた来るようにということだったので、近くにあったルノワールで時間をつぶした。受付の女性がとても可愛くて感じがいい。ドアの向こうからは阿鼻叫喚のうめき声、叫び声が聞こえる。わくわくする。でも怖い。 

 

4時半すぎにヴァニラ画廊に戻ると、トラブルで入場が滞っているという。内部のドアが壊れてしまい人が閉じ込められてしまったとのことだった。13時から開演だが階段に並んでいた人の入場整理番号は15番。私は27番だった。 

「うーん、これはもう今日は見られないかな」 

と思っていたら復旧した。待ちきれなくてキャンセルした人が多かったらしく、私は17時20分頃に中に入ることができた。待ち時間のあいだ、ドアから漏れ聞こえる叫び声に期待が膨らむ。 

入場は一組ずつ、10分おきぐらいに行われる。入る前に「おまじない」と行って葉っぱを手渡される。適当な場所にその葉っぱを置いておくとよいらしい。 

ドアから腕だけがにょきっと出て入場OKの合図。 

入ると暗い。まずよつばいになって細長い通路をはったまま進まなければならない。いきなり怖い。部屋の外周に沿って作られた通路を進んで行くと突き当たりに白い動物の脚があった。剥製かと思うと、そうではなくちゃんと生きている子羊だった。 

げっ。 

ここで葉っぱをあげるのかと思い、差し出すが羊は葉っぱをたべない。羊の傍らには人がいるけれど、彼もしくは彼女は不動で、何も喋らない。ここでようやく立ち上がることができる。おそるおそる暗い道を進んでいくと、両手両足をもがれただるま女が絶叫している。「うおっ」と思わず飛び退くと、うしろがわの壁が開いてそこからは斧を持った血まみれの男が。だるま女は殺される、助けてとすがりついてくるが、どうしようもない。 

彼女の指示に従って、上層に昇る。上層の橋のようなところをわたったところで、今度は板に乗るように指示される。板に乗ると下に下ろされ、底には水が。両側には斧をもったおどろおどろしい人物が壁に斧をたたきつけて、こちらを脅す。私は箱のようなものにのって、水上にいる。そしてその水上の通路でゆさぶられる。 

二人の男が諍いをはじめ、一人が殺される。だるま女がいつのまにかそばにいて、もう一人の男を鞭で打てと言う。言われるままに鞭で背中をびしびしと打っていると、男は快感で失神してしまった。 

 

ここでだるま女の脚を手渡される。次の場所では天井が降りて来て、両側から化け物にいたぶられる。降りて来た天井をくぐりぬけて、さらに上層へ。 

導かれるまま、丸太の橋をわたり、ニワトリが放し飼いされている通路をくぐったところで、ツタンカーメン王がいた。ツタンカーメン王の横を通り過ぎようとすると、陰毛が伸び放題となった女に通路をふさがれる。長い陰毛女は、二股浮気男の呪いによって陰毛がのびてしまったという。その二股男がこのツタンカーメンだ。この男のもう一人の情婦があのだるま女だと言う。 

ツタンカーメン男は先が二つに分かれた二本の長大なペニスで、陰毛女とだるま女と交わる。その絶頂のなかで呪いは解け、お化け屋敷の外に出ることが許される。 

 

外にでたところで、チェキで写真を一枚。 

あー、面白かった。あの独創的な仕掛けはすごい。いったいどんな作りになっているのだろうか。自己破滅的なサービス精神の過激さに感動する。 

出てきたときの解放感、爽快さが何とも心地いい。 

実に素晴らしい恐ろしく贅沢なスペクタクルだった。