http://www.seinendan.org/jpn/info/2013/09/loves_end/
- 作・演出:パスカル・ランベール
- 日本語版監修:平田オリザ
- 翻訳:平野暁人
- 舞台監督:大友圭一郎
- 照明:山口久隆、西本 彩
- 衣裳:正金 彩
- 通訳:平野暁人
- 演出助手:西本 彩
- 出演:兵藤公美、太田宏、赤い靴児童合唱団(横浜公演)
- 劇場:横浜 KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
- 評価:☆
7年前に同じ作・演出家の『愛のはじまり』という作品を見たことを思い出した。
ブログに感想が記してある。http://otium.hateblo.jp/entry/20070609/1181400071
今回の『愛のおわり』はアヴィニョン演劇祭で絶賛されたという。RoMTの『ここからは山がみえる』の出演者、太田宏さんが出演する作品なので横浜まで見に行ったのだが、今回も実につまらない作品だった。感想は七年前に見た『愛のはじまり』とさして変わらない。 ランベールの作品とは相性が悪いのだろう。しかし相性以前に「愛のおわり」のような作品がフランスで大絶賛というのが事実だとすると、本当に仏現代演劇ってどうしようもないなと、正直思う。
男女が一時間ずつ、相手に向かって別れについて延々と語るというモノローグ劇。こんなつまらない陳腐な内容のモノローグ劇を聞かされるぐらいなら、せめて全裸でやって欲しいと思う。役者の二人は熱演であったが。一時間、高いテンションで膨大な台詞を吐き出すのだから大変だ。しかもそのテキストがつまらない。 もっともらしい批評的言辞を引き出しやすい、これ見よがしの仕掛けを盛り込んだ狡猾さが鼻につく。 いかにも青年団が持ってくるフランスの頭でっかちの芝居。開始10分で出たくなり、その感じは最後まで維持される。
当日パンフの平田オリザの文章の末尾「しかし、私はまだ、かつての妻との別れについて、作品にすることはできていない」。早く作品化して欲しい。『愛のおわり』よりははるかに面白い作品になることは間違いない。