http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/140124_003738.html
- 作:飯沢匡
- 演出:栗山民也(新国立劇場演劇研修所長)
- 美術:伊藤雅子
- 照明:佐々木朗
- 音楽:国広和毅
- 音響:福澤裕之
- 衣裳:中村洋一
- ヘアメイク:鎌田直樹
- 演出助手:田中麻衣子
- 舞台監督:米倉幸雄
- 演劇研修所長:栗山民也
- 出演: 安藤ゆかり、 岩澤侑生子、押田栞、デシルバ安奈、山下佳緒利、大塚展生、寺内淳志、野坂弘、長谷川直紀、峰﨑亮介
- 上演時間:2時間20分(休憩15分)
- 評価:☆☆☆☆
都内のとある高級ホテルのスイート・ルームを舞台に、4つのエピソードが展開するオムニバス喜劇だった。各場はそれぞれ30分ほどの長さ。
奥行きを広く取ったゆったりとした舞台美術に存在感があった。11名の若い研修生はかなり幅広い年齢層の人物を演じるのだけれど、新劇的リアリズムの約束事をきっちり消化できた達者な芝居で、違和感を感じさせない。対話のリズム、発声の明瞭さ、動きの流れなど細部まで丁寧に調整された完成度の高い作品だった。
美男美女揃いの11名の研修生のなかで特に印象に残ったのは、第一場でエキセントリックな教育ママと第三場では謎の女を演じる岩澤侑生子(卵顔の美人)、ちょっとやさぐれた雰囲気を漂わせる人生経験の豊かそうな中年のルームメイド役の山下佳緒利、慇懃でかつ奇妙なテンションの高さを維持するホテル・マネージャー役の大塚展生の3名だ。
飯沢匡の作品を見るのはこれがはじめてだった。70年代の新劇ベースの社会風俗喜劇ということで興味深かったけれども、笑いの毒のなさが少々物足りない。