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閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

シアターノーチラス『新任教師』

演劇

シアターノーチラス#15『新任教師』

  • 作・演出:今村幸市
  • 照明:太田奈緒
  • 音響:石上晃樹(劇団Euphorial)
  • 舞台監督・美術強力:オノユウ
  • 出演:越路隆之、御子神陽子、近藤光、戸塚るり、尾方祐三子、遠藤葵、松岡香里、平野和光、手島圭亮、河井千紘、舞香、田中康太郎、木村香織
  • 劇場:下北沢 シアター711
  • 上演時間:100分
  • 評価:☆☆☆★

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 とある高校が舞台。一学期の終業式の日、新任の女性教師が学校内で変死していたのが発見された。「人の痛みがわかる大人になりなさい」と生徒たちに訴えかけていたこの新任女性教師の変死を巡り、学校の教員と生徒たちが動揺する。死の真相に迫るミステリー仕立ての展開のなかで、登場人物たちがそれぞれ抱える暗闇が暴露させるという筋立て。

 宮部みゆきなどの推理小説で出てきそうなプロット。材料の扱い方と筋立ては通俗的で私の好みではなかったが、よく出来た脚本だと思った。見ていて退屈することはなかった。サスペンスドラマ感覚で楽しんで見ることができたように思う。ただ筋をうまく運ぶことを重視したため、事件のリアリティが乏しくなってしまった。動機と人物設定にギャップがあって、説得力が乏しい。その強引さゆえにB級娯楽っぽい雰囲気になってしまった。

 俳優の演技はしっかりと稽古を重ねたことを窺わせる堅実なものであったが、全体的に若干、過剰。台詞はよく聞こえるし、やりとりのリズムもよく達者ではあるけれど、古くささを感じる。前半はやりとりが上滑りしていった感じがしたが、段々しっくりと落ち着いてきて、その過剰さも気にならなくなった。かなり微妙なところなのだけれど、演技のコツというのはいったい何なんだろうな、と思いながら見ていた。演出家としてはこれが自分のなかにある演技のイメージなのだろうけれど、私の感覚とはずれがあった。