http://www.zuu24.com/withclaude/
- 作:ルネ=ダニエル・デュボワ René-Daniel Dubois
- 翻訳:イザベル・ピロドー/三宅 優
- 上演台本・演出:古川貴義
- 美術:稲田美智子
- 照明:工藤雅弘
- 音楽:水永達也
- 音響:岡田悠
- 衣裳:山中麻耶
- ヘアメイク:大宝 みゆき
- 演出助手:村田鈴夢
- 舞台監督:鳥養 友美
- 出演:稲葉友、伊達暁、井上裕朗、鈴木 ハルニ
- 劇場:青山円形劇場
- 上演時間:1時間50分
- 評価:☆☆☆
--------------------
1955年生のルネ・ダニエル・デュボワは、現代のケベックを代表する劇作家のひとり。
http://www.agencegoodwin.com/fr/artistes/rene-daniel-dubois
『Being at home with Claude』は彼の代表作で、1985年に初演され大きな成功を収め、各国語に翻訳・上演されている。1992年にはカナダで映画化もされている。
作品の時代設定は1967年であることが、モントリオール万博への言及からわかる。
カナダのフランス語圏であるケベック州が「静かな革命」と呼ばれる社会変革のなか、ケベック人としての誇りを取り戻そうとしていた時期にあたる。
作者のデュボワについては以下のサイトに掲載された『ル・モンド』紙のインタビューが興味深い。
http://www.latitude45arts.com/artists/view/dubois
作品については以下のページで紹介されている。
http://cead.qc.ca/_cead_repertoire/id_document/2452
裁判所判事の執務室での殺人容疑の若くて美しい男娼と刑事のやりとりが2時間にわたって展開する。芝居がはじまった時点で取り調べ開始からすでに36時間経過している。この若い男娼は自分の恋人の殺人で自首してくるものの、真相につめよる刑事の追求はのらりくらりとかわして、捜査にはまったく進展がみられない。芝居がはじまっても40分ぐらいは、展開はまったく進まない。刑事はイライラしている。見ている私もうんざり。眠たくてたまらない。
しかしこの作品の見どころは後半にある。男娼の長大で熱のこもった告白が続くのだ。堰を切ったように、彼はクロードとの愛について膨大な言葉でかたり続ける。見ていて息苦しくなるような官能的でロマンチックな言葉の奔流に私はぐったりしてしまった。同性愛気が自分には乏しいためか、私はロマンチシズムの濃厚さに浸ることができなかった。若い俳優の熱演に対する感受性も自分には欠如していた。苦行苦痛の2時間だった。