イーダ(2013)
- 上映時間 80分
- 製作国 ポーランド
- 初公開年月 2014/08/02
- 監督: パヴェウ・パヴリコフスキ
- 脚本: パヴェウ・パヴリコフスキ 、レベッカ・レンキェヴィチ
- 撮影: ウカシュ・ジャル 、リシャルト・レンチェフスキ
- 音楽: クリスチャン・セリン・エイドネス・アナスン
- 出演: アガタ・クレシャ(ヴァンダ)、アガタ・チュシェブホフスカ(イーダ/アンナ)、ダヴィッド・オグロドニック(リス)
- 映画館:渋谷 シアターイメージフォーラム
- 評価:☆☆☆☆★
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被写界深度の浅いモノクロの映像美に引き込まれる。そして主人公である修道女イーダの硬質な美しさにも。陰翳のコントラストの鮮やかさはフェルメールの絵画を連想させました。ハッとさせるような美しい場面がいくつもある作品だった。
戦災孤児として修道院で育った若く美しい修道女が修道誓願を前に、唯一の肉親である叔母を訪ね、叔母とともに自分の両親の死の真相を探る旅に出る。彼女はユダヤ人だった。ナチス政権下のポーランドにおけるユダヤ人虐殺の歴史が、彼女の視線を通し冷徹に描き出される。
カメラの視点のほとんどは主人公であるイーダに向けられている。イーダを演じた女優は、これが映画初出演で、これ以後映画に出演するつもりはないというまったくの素人とのこと。しかしその硬質で清楚な雰囲気の美貌は圧倒的な魅力を放っていた。緊張感に満ちた静謐な作品だが、ごく控え目に挿入される音楽の選曲と使い方がとてもいい。