マルティニークからの祈り(2013) WAY BACK HOME
- 上映時間:131分
- 製作国:韓国
- 初公開年月:2014/08/29
- 監督: パン・ウンジン
- 脚本: ユン・ジノ
- 撮影: イ・モゲ
- 音楽: キム・ジュンソン
- 出演: チョン・ドヨン(ジョンヨン)、コ・ス(ジョンベ)、カン・ジウ(ヘリン)、ペ・ソンウ(チョ課長)、コリンヌ・マシエロ(ヘルポイ)
- 映画館:有楽町 TOHOシネマズシャンテ
- 評価:☆☆☆☆
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久々にスクリーンでチョン・ドヨンを見た。ドヨンが出て、舞台がフランス領マルティニーク島となると見に行かないわけにはいかない。
ドヨンは映画のなかでは「おばさん」などと呼ばれ、実際の年齢も40くらいになっていると思うのだけれど、依然、驚くほど可愛らしいし、美しい。最初に出てきた場面から「やっぱり、素敵だなあ」と見とれてしまう。この人の顔立ちが大好きだ。演技力と役者根性もあるので、俳優としては最強レベル。映画の作りは娯楽作品で物足りないところはあるのだけど、チョン・ドヨンのファンなら満足できる作品だと思う。ドヨンの魅力が生かされた作品だった。
それとは知らず麻薬密輸の片棒を担がされ、空港で逮捕され、パリ、それからフランスの海外県、カリブ海のマルティニークの刑務所に2年以上にわたって収監された主婦の話。在仏韓国大使館の無責任な対応のせいで、この主婦は2年のあいだ、裁判も受けることができなかった。脱出の希望が何度かにわたって裏切られる。そのたびに胸詰まる思いをする。
ドヨンは運命の不条理に翻弄され、疲弊し、苦しむ役柄によく合っている。見てていたたまれない、目を覆いたくなるような場面があるが、つい見てしまう。苛まれるドヨンは魅力的だ。
物語は実話をベースとしていることを考えればあまりにも痛々しい。しかしちょっとした悪い偶然が重なって、こんな運命に陥ることはいかにも起こりえそうな感じがする。大使館やフランスの監獄のつれなさ、無常さにリアリティがあった。
ドヨンは素晴らしかったが、夫役のコ・スも筒井道隆みたいな雰囲気でいい感じだった。