革命アイドル暴走ちゃん Miss Revolutionary Idol Berserker
革命アイドル暴走ちゃん、掛け値なしで素晴らしい作品。驚異的に豊かで混沌としていて、しっかりとコントロールされている。でもあの狂騒にも関わらず、冷静に見られてしまうのはなぜだろう?
- 構成・音楽・演出:二階堂瞳子
- 舞台監督:森下紀彦
- 映像:矢口龍汰
- 照明:伊藤孝
- 音響:筧良太
- 衣装:スガナミタカユキ
- 演出助手:安藤達朗、杉山幸、服部無双
- 制作:樺澤良
- 劇場:こまばアゴラ劇場
- 上演時間:45分
- 出演:
加藤真砂美
アマンダ・ワデル
高村枝里
(以上、革命アイドル暴走ちゃん)相原 歩 安藤ゆかり 伊藤彩奈 伊谷亜子
金佳奈実 高麗哲也 小林ありさ 佐賀モトキ
紗弓 鈴木もも 染谷彩花
ダイナマイト・バディ夫 竹田有希子 出来本泰史
飛田大輔 橋本考世 廣瀬 瞬 藤田一陽
藤本紗也香 宝保里実 堀井和也 森 みどり
谷田部美咲 山岡貴之 - 評価:☆☆☆☆★
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驚くほど多様な要素が凝縮され、それが45分の間、炸裂し続ける。そのエネルギーは圧倒的である。大音量の音楽とぎらぎらの照明、そして水しぶき、わかめ、豆腐、服などの飛来物に、空間は狂騒状態になるのだけれど、その狂騒は緻密に制御・構成されている。一線を越えないように、きわどいところでコントロールされているのを感じる。このためか大騒ぎの渦中に飲み込まれるというよりは、むしろそれを冷静に傍観している自分を感じた。ズボンは水で濡れてしまったけれど、これはたいしたことではない。
これだけ多様な要素を圧縮して、爆発力のある表現を作り出す才能は天才的だ。数年前の「一線を超えてしまった」王子小劇場の公演を私は残念ながら見逃しているけれど、その一線を超えた瞬間はバナナ学園としての表現としての頂点に達していたような気がする。
大騒動で一度リセットしたあとで再生された、今回の公演の表現の完成度はきわめて高い。でもこの次はどこに向かっていくのだろうか。