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閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

最高の花婿(2014)


QU'EST-CE QU'ON A FAIT AU BON DIEU?

  • 上映時間 97分
  • 製作国 フランス
  • 初公開年月 2016/03/19
  • 監督: フィリップ・ドゥ・ショーヴロン 
  • 製作: ロマン・ロイトマン 
  • 脚本: フィリップ・ドゥ・ショーヴロン 
  • ギィ・ローラン 
  • 撮影: ヴァンサン・マチアス 
  • 美術: フランソワ・エマニュエリ 
  • 衣装: エヴ=マリー・アルノー 
  • 音楽: マルク・シュアラン 
  • 出演: クリスチャン・クラヴィエ クロード・ヴェルヌイユ(父)
    シャンタル・ロビー マリー・ヴァエルヌイユ(母)
    アリ・アビタン ダヴィド・ヴェニシュ(次女の夫)
    メディ・サドゥン ラシッド・ベナセム(長女の夫)
    フレデリック・チョー シャオ・リン(三女の夫)
    ヌーム・ディアワラ シャルル・コフィ(四女の恋人)
    フレデリック・ベル イザベル・ヴェルヌイユ(長女)
    ジュリア・ピアトン オディル・ヴェルヌイユ(次女)
    エミリー・カン セゴレーヌ・ヴェルヌイユ(三女)
    エロディ・フォンタン ロール・ヴェルヌイユ(四女)
    パスカル・ンゾンジ アンドレ・コフィ(シャルルの父)
    サリマタ・カマテ マドレーヌ・コフィ(シャルルの母)
    タチアナ・ロホ ヴィヴィアン・コフィ(シャルルの妹)
  • 映画館:恵比寿ガーデンシネマ
  • 評価:☆☆☆☆★

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2014年にフランスで1600万人(およそ4人に1人!)が見たという大ヒット作品。
多民族多文化社会である現代のフランス社会ならではの娯楽喜劇映画。フランス語教員には見に行くことを強力に薦めたいし、教室で学生にも見せたい映画だ。


地方都市に住む保守的なブルジョワ夫婦には4人の美しい娘がいる。娘の結婚相手が、一人目がアラブ人、二人目がユダヤ人、三人目が中国人であることに夫婦はショックを受ける。四人目の娘の結婚相手はカトリックの青年だが、コートジボワール出身の黒人だった。


フランス人が一般的に持っている人種ステレオタイプがギャグとして用いられる。そして他民族、他宗教に対する偏見を互いに持っていることを自覚しつつ(あるいは自覚しているがゆえに)「人種差別」racismeという言葉に敏感に反応してしまうことも。こうした自己批評的で自虐的で皮肉な笑いはいかにもフランスっぽい感じがする。

この映画のなかでの「中国人は閉鎖的で何を考えているのかわからない」、「フランス人はわれわれアフリカから搾取した」といった台詞は実際に私もフランスで聞いたことがある言葉だ。こうした人種偏見的発言、他民族をからかうような発言は、フランスにいると耳にすることはまれではない。人種差別的なギャグも。われわれ日本人もいないところではかっこうのからかいの対象になっているはずだ。


映画はハッピーエンドで終わる。もちろんこんなハッピーエンドは、現実にはとうていあり得ないファンタジーであることは、多民族多文化の摩擦のなかで日々暮らしているフランス人たちは重々承知しているはずだ。このハッピーエンドはファンタジーではあるけれど、フランス人たちの願いがこめられている。こういった願いが込められた自己批評的風刺劇が大ヒットするというのは、フランス社会はまだ捨てたもんじゃないという風に思う。
現在、東京では恵比寿ガーデンシネマでしか上映していない。神奈川ほか地方ではこれから順次公開される。

四姉妹はみな美人だったけれど、なかでも四女役のエロディ・フォンタンが私好みの顔立ちだった。