閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

お嬢さん(2016)

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パク・チャヌクの暴走を堪能。期待通りの快作だった。悪意をむき出しにしたペニノといった雰囲気の変態的エロスの幻想劇だった。
和洋韓がごちゃまぜになった奇怪な亜日本の風景が面白い。韓国語訛りの日本語をとつとつと俳優に話させ、「日本人」を演じさせることで、その虚構的日本のまがまがしさはさらに強調される。
演じる者が演じているうちに自分が演じていた存在に内面まで侵食されていくいくさまは、マリヴォーやジュネの作品を連想させた。
第二部で種明かしがされてしまうので、第三部で結末がよめてしまう、そして予想した結末通りだったのが残念だった。二部までの展開はスリリングだったので、第三部でもういちどこちらの期待を裏切るような展開を期待していたのだが。
よくこんな映画に出るような女優を見つけてきたものだなと思う。女優のルックスはまさに作品の役柄が要求するものだった。
パク・チャヌクの変態性、暴力性、スピード感は、本当に爽快だ。