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- 作・演出: 玉田真也
- 美術:濱崎賢二(青年団)
- 照明:井坂浩(青年団)
- 音響:池田野歩
- 衣装:根岸浅子(sunui)
- 出演:宮崎吐夢、浅野千鶴(味わい堂々)、神谷圭介(テニスコート)、菊池真琴、木下崇祥、玉田真也、野田慈伸(桃尻犬)、堀夏子(青年団)、山科圭太
- 劇場:五反田 アトリエヘリコプター
- 上演時間:100分
- 評価:☆☆☆★
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はじまってから三十分間の凝縮力は驚異的だったが、中盤以降失速してしまった。。最初の三十分の密度で全篇が満たされていたら、どんな傑作になっただろう。玉田真也が演じる中学三年生のひねくれぶり、生意気さは、思春期のただなかで屈折しはじめた自分の子供たちに見せてみたかった。会話のディテールのリアリティと確信犯的に強引でむりやりな状況設定のかみ合わせのずれが玉田独自の笑いを生み出すのだけれど、このバランスは実に微妙だ。最初のほうのやりとりは神業を思わせる精妙さで抱腹絶倒の連続だったが、中盤以降、このやりとりの密度が薄まり、間延びした感じになってしまった。結末にもああいう「まとも」なまとめ方はつまらない。最後にまた意地悪くひねって、観客の期待を裏切って欲しかった。