A Gambler's Guide to Dying
- 作:ガリー・マクネア
- 翻訳:小畑克典
- 演出:田野邦彦
- 出演:太田宏
- 場所:上井草 エリア543
- 評価:☆☆☆
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太田宏さんの回を見に行った。
太田宏さんが前にRoMTでやった3時間超えの一人芝居『ここからは山がみえる』に比べると、脚本が弱い。つまらない本というわけではないけれど、それほど面白い話というわけでもない。
ブックメーカー(賭屋)、サッカー、スコットランド人の反イングランド感情などが折り込まれているので、エジンバラの観客は日本の観客よりはるかにこの一人芝居を楽しむことができたはずだ。そうしたローカルねたにとどまらない普遍的な要素はある話ではあるのだけれど、物語の語りの仕掛けは単調で、仕掛けに乏しい。ありきたりの物語といえばありきたりで、私は物語に乗っかって語りに聞き入ることができなかった。
太田さんの語り芸は達者で安定している。さすがにうまいし、手慣れているなとは思ったけれど、脚本の弱さゆえか、技術的な巧さには感心するけれど、語りの世界になかなか入っていけなかった。
入り込むことができなかたもう一つの理由は、椅子だ。約2時間の公演だったのだけれど、通常の高さのパイプ椅子(これでもきつかったかも)は数少なく、私の入場時にはもう埋まっていた。高さのない小さな椅子に座ることになってしまったが、あの椅子で2時間座ったままというのは拷問だ。
太田さん以外の俳優では、どんな風に変わっているのか興味はあるけれど(太田さんのようにはできないだろう)、あの椅子と脚本では再び赴く気にはなれず。