閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

かくれさと苦界行

隆慶一郎(新潮文庫、1990年) 評価:☆☆☆☆★ - 先日読んだ同著者の『吉原御免状』の続編。吉原の惣名主となった松永誠一郎と、誠一郎によって隻腕にされ、復讐の悪鬼となった裏柳生の武者、義仙の戦いの第二ラウンド。そこに柳生の守護神、荒木又右衛門、義仙…

禁煙ファシズムと戦う

小谷野敦編著(ベスト新書、2005年) 評価:☆☆☆☆ - 禁煙となし崩しに進む日本社会に意固地になって抵抗している感のある小谷野氏。敢えて禁煙条例の施行されている地域で吸うという挑発的行為を行い、行政訴訟も辞さない覚悟という「大人らしくない」ふるま…

カルテット

http://www.tpt.co.jp/ 作:ハイナー・ミュラー 台本:広田敦郎 演出:木内宏昌 美術:磯沼陽子 照明:笠原俊幸 出演:大浦みずき、千葉哲也 劇場:森下 ベニサン・ピット 評価:☆☆★ - マチネ公演。観客は年配の人が中心でほぼ満席。 1000円で購入したプログ…

湖の秋

俳優座 http://www6.ocn.ne.jp/~haiyuza/Pages/wakate05a.htm 演出:高岸未朝 作:長谷川孝治(弘前劇場) 照明:石島奈津子 美術:島 次郎 出演:浜田寅彦、志村要、大庭藍、西川竜太郎、伊勢 佳世 劇場:六本木 俳優座劇場 評価:☆☆☆ - 劇評などでしばしば…

吉原御免状

隆慶一郎(新潮社、1986年) ISBN:4101174113 評価:☆☆☆☆★ - 娯楽的な時代小説は山本周五郎を除きこれまであまり読んでいなかったが、とりわけ英雄的主人公が活躍する「剣豪小説」というジャンルには関心がなかった。この小説を読む気になったのはもちろん劇…

忠臣連理の鉢植 植木屋

出演:中村梅玉、中村時蔵、中村歌六 評価:☆☆☆★ - 「忠臣蔵」の外伝。初演は一七八八年だが、歌舞伎座での上演は48年ぶりで昭和二十年以降の上演記録は五回だけ。二幕構成だが、遊び人風の色男と町娘の恋のやりとりが喜劇調で続くと思うと、いきなりストン…

歌舞伎十八番の内 勧進帳

出演:中村吉右衛門、中村福助、中村富十郎 評価:☆☆☆☆ - 古典の定番中の定番だが、僕は舞台では初見。一時間強の舞台ではあるが力強い、時に滑稽でもある見せ場の連続でぐいぐいと引き込まれる。お話の作り自体は冷静に考えると相当にヘンでつっこみどころ…

平家蟹

作:岡本綺堂 補綴:今井豊茂 演出:福田逸 出演:中村芝翫、中村橋之助、市川左団次 他 評価:? - 岡本綺堂によるこの作品を一番楽しみにしていたのだが、上演時間のほとんどを熟睡していしまう。三階席の狭い座席でよくぞあれほど熟睡できたものだ。前の…

九月大歌舞伎 夜の部

http://www.kabuki-za.co.jp/info/kougyou/0509/9kg_1.html

本業

浅草キッド 水道橋博士(ロッキング・オン、2005年) 評価:☆☆☆☆★ - 「タレント本」のみ、しかも水道橋博士と交友のあるタレントの著作の書評集。つっこみどころはするどく指摘しつつも、決して否定的で嘲笑的な取り上げ方はしない。著者への敬意に満ちた肯…

入院対策雑学ノート

ソルボンヌK子(ダイヤモンド社、2000年) 評価:☆☆☆☆ - 著者は20歳のころ、くも膜下出血で2ヶ月、くも膜下出血手術時の輸血による血清肝炎で4ヶ月間の入院経験を持つ。 一生の間で出生時と臨終時しか入院の経験のない幸運な人間の割合はどのくらいのものだ…

メゾン・ド・ヒミコ

http://www.himiko-movie.com/ 場所:新宿 武蔵野館 評価:☆☆☆☆ - 静謐で暖かい雰囲気の映画。人の心理や言動の曖昧さや自身でもコントロールできない不可解さを叙情的に描く傑作。役者の持ち味を最大限引き出した丁寧な演出が素晴らしい。ゲイの老人ホーム…

吉原御免状

企画・制作:劇団☆新感線・ヴィレッヂ 原作:隆 慶一郎 脚色:中島かずき 演出:いのうえひでのり 美術:瀬尾幸男 照明:原田保 音楽:岡崎司 衣裳:小峰リリー 出演:堤真一、松雪泰子、古田新太、京野ことみ、梶原善、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、…

世界の終わり、あるいは始まり

歌野晶午(角川書店、2002年) 評価:☆☆☆★ - 自分の子供が犯罪者であるときに、どうふるまうことができるか、という可能性のシュミレーション。達者な文章力で読ませるが、衝撃は必然的にだんだんと弱まっていく。

第十八回歌舞伎フォーラム公演

http://www.atpa.jp/05/kabuki/matuou%20shousai.htm 場所:両国 江戸東京博物館 - 第一部 「歌舞伎に親しむ」歌舞伎の美/効果音 出演:中村又之助、中村梅之 美術:阿部英夫 照明:中村幸穂 評価:☆☆☆ - 江戸東京博物館ホールでの若手役者によるこじんまり…

サマータイムマシン・ブルース

http://stmb.playxmovie.com/index.html 場所:三宮 シネ・リーブル神戸 評価:☆☆☆ - 東京の近所の映画館で見にいくつもりが、今の僕のアイドル、上野樹里が舞台挨拶に来ると知り、整理券が入手できれば見にいくつもりで劇場にいくと、あっさり整理券つき入…

家族

南木佳士(文春文庫、2003年) 評価:☆☆☆★ - 昨日読んだ『阿弥陀堂だより』を含め、小説中で書かれる出来事はすべて作者自身の体験がベースになっている。すなわち医者、末期肺ガン患者、信州、父親、義母、祖母、カンボジア医療ボランティア等々。 しかしそ…

ダイヤモンドダスト

南木佳士(文春文庫、1992年) 評価:☆☆☆

阿弥陀堂だより

南木佳士(文春文庫、2002年) 評価:☆☆☆☆ - 使うのがためらわれるほど乱用されている語ではあるが、この小説は現代社会の競争に敗れ疲れきった人物が、貧しい田舎の平穏な生活の中で快復する過程を描く「癒し」の物語である。 語りが、有能な医師である妻の…

死神

清水義範(角川文庫、2001年) 評価:☆☆☆★ - 帰省先の両親の書棚にあった文庫本より。現代日本社会における「死」の受容のあり方を淡々と描く。といっても清水義範作品だけに、その扱い方はユーモラスで深刻なものではない。

愛についてのキンゼイ・レポート

http://www.kinsey.jp/ 場所:豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん 評価:☆☆☆☆ - 原題は「Kinsey」というシンプルなもの。邦題の「愛についての」はより正確には「性愛についての」あるいは「セックスについての」とすべき。キンゼイの名前と仕事自体、今…