閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

家族

南木佳士(文春文庫、2003年)
家族 (文春文庫)
評価:☆☆☆★

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昨日読んだ『阿弥陀堂だより』を含め、小説中で書かれる出来事はすべて作者自身の体験がベースになっている。すなわち医者、末期肺ガン患者、信州、父親、義母、祖母、カンボジア医療ボランティア等々。
しかしその扱い方が、『阿弥陀堂だより』では「商品」としての洗練の濾過を経たものであるのに対し、上記の二つの短編では露悪的で生々しい。読後感はざらざらしたもの。よりリアリティがあるのは今日読んだ二短編集のほうなのかもしれないが。
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