LA BISBETICA DOMATA
THE TAMING OF THE SHREW
- 上映時間 122分
- 製作国 アメリカ/イタリア
- 初公開年月 1967/06/
- 監督: フランコ・ゼフィレッリ
- 原作: ウィリアム・シェイクスピア
- 脚本: ポール・デーン、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、フランコ・ゼフィレッリ
- 撮影: オズワルド・モリス
- メイクアップ: ジャンネット・デ・ロッシ
- 音楽: ニーノ・ロータ
- 出演: マイケル・ヨーク、エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、ナターシャ・パイン
- 評価: ☆☆☆☆☆
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
タイトル・ロールのエリザベス・テイラーの演技はじゃじゃ馬というレベルをはるかに超え、極端なヒステリーでほとんど病的なレベルの興奮状態にあるかの如くの暴れぶり。その極端さに前半は大笑いする。
「じゃじゃ馬」の暴れぶりの凄まじさもそうだが、彼女を手なずける紳士、ペトルーチオの振舞も、かなり異常である上、展開もシェイクスピアの喜劇らしい不自然さに満ちている。演技の演出は全般に質のいい演劇的誇張がなされていて、各人物の類型化が非現実的な展開とうまくなじんでいた。
美術と衣装の素晴らしさには目を奪われる。ルネサンスからバロックにかけての絵画に描かれた風景や風俗を連想させる色遣いと造型は、シェイクスピアが夢見た、そしてシェイクスピアを通して我々が想像する16世紀イタリア都市の繁栄のきらびやかさと喧噪を、見事に具現化している。ニーノ・ロータの古楽調の音楽の調べも興趣を盛り上げる。
結末のじゃじゃ馬、キャタリーナの豹変ぶりに、今の感覚では受け入れ難い露骨な男尊女卑思想が表現されているが、ヨーロッパではこの戯曲は人気があるらしく、上演回数もシェイクスピア作品の中では五本の指に入るそうだ。