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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007)
SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET
- 上映時間:117分
- 製作国:アメリカ
- 初公開年月 2008/01/19
- 監督:ティム・バートン
- 原作:スティーヴン・ソンドハイム、ヒュー・ウィーラー
- 脚本:ジョン・ローガン
- 撮影:ダリウス・ウォルスキー
- 衣装デザイン:コリーン・アトウッド
- 編集:クリス・レベンゾン
- 作詞作曲:スティーヴン・ソンドハイム
- 出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン、エド・サンダース
- 劇場:豊島園 ユナイテッドシネマとしまえん
- 満足度:☆☆☆☆
『スウィーニー・トッド』の舞台は一年前に日生劇場で宮本亜門演出による舞台を見ている。市村政親のトッド、大竹しのぶのミセス・ラベットだった。舞台版は正直それほど面白いとは思わず、印象も薄い。映画を観ながら舞台のことも徐々に思い出してきたのだが、キャストも悪くないし、美術もよくできていた、トッドとラベットという中年のカップルと、トッドの娘のジョアナと若い青年の二組の恋もうまく対比された展開もよくできていた。そのわりにはそれほど楽しめなかったのは、市村正親が演じたトッドが陰気過ぎたのと、ソンドハイムの曲が全般にうまく乗っていなかったからもしれない。
映画版はとても楽しめた。くすんだ色調をベースとする一九世紀初頭の倫敦の再現が非常に素晴らしい。話の陰惨さを暗示し、観客のインスピレーションを刺激する奥行きのある薄暗い画面だった。ジョニー・デップの歌もいい。そんなに達者ではないのかもしれないけれど、曲の雰囲気をよくつかんだ歌唱だと思う。
残忍な殺害シーンの連続を、美しい旋律に乗せて、アップで映し出すという悪趣味の露骨さに爆笑する。最後はそれまでの重さと密度を思うと、さらさらとながれすぎた感じがあって若干物足りなさを感じた。