閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

風の丘を越えて/西便制(ソピョンジェ)(1993)

  • 上映時間:113分
  • 製作国:韓国
  • 初公開年月:1994/06/
  • 監督:イム・グォンテク
  • 製作:イ・テウォン
  • 原作:イ・チョンジュン
  • 脚本:キム・ミョンゴン
  • 撮影:チョン・イルソン
  • 音楽:キム・スチョル
  • 出演:キム・ミョンゴン、キム・ギュチョル、オ・ジョンヘ 、アン・ビョンギョン
  • 評価:☆☆☆☆

風の丘を越えて 西便制[ビデオ]

風の丘を越えて 西便制[ビデオ]

                                                                                • -

韓国の伝統的な語り・歌謡芸能であるパンソリの旅芸人の姿を描いた作品。韓国では上映当時300万人以上の観客を動員した大ヒット作だそうだが、僕はつい最近この作品の存在を知ったばかりだった。監督は『酔画仙』を撮った人だった。『酔画仙』同様、物語の背景となる時代風俗をしっかりと再現した上で、骨太のずっしりとした重量感のあるドラマで魅せる作品だった。パンソリが主題なだけに、歌の場面がとても素晴らしい。多くの感想で指摘されているが、旅芸人の親子三名が田舎道で「アリラン」を歌いながら歩く場面には心動かさずにはいられない切ない幸福感にあふれている。
時代は1940年代から60年代にかけて、韓国の地方が舞台となる。この地方の風景の映像も素晴らしい。弟と姉の再会の場所である両側にバラックの建ち並ぶバス道の風景は特に印象的だった。
同じ監督でやはりパンソリを主題とした『春香伝』という作品もあるらしい。また『西便制』と同じ原作者による、同じ登場人物が登場する『千年鶴』(パンソリの歌い手のオ・ジョンヘがやはり出演しているらしい)が2007年に韓国で公開されたとのことだが、これらの作品も見てみたい。