閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

太陽と下着の見える町

庭劇団ペニノ
http://festival-tokyo.jp/program/penino/

  • 作・演出:タニノクロウ
  • 構成:タニノクロウ、玉置潤一郎、山口有紀子、吉野 明
  • 美術:田中敏恵
  • 照明:今西理恵
  • 音響:中村嘉宏
  • 出演:久保井 研、山田伊久磨、五十嵐 操、内田 慈、笹野鈴々音、佐野陽一、森 準人、間瀬英正、坂倉奈津子、大久保宏章、寺田ゆい、高橋ちづ
  • 劇場:にしすがも創造舎
  • 上演時間:90分
  • 評価:☆☆☆☆★
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タニノクロウはかっこいい変態だ。

パンチラ・レビュー。ノスタルジックでエロチックな追憶レビューだった。セックスなんか知らなかった幼き日の性的妄想が、奇怪な美しさとともに凝縮・再現されているような気がした。私は大いに満足する。
舞台美術も相変わらずかっこいい。二階建ての白い建物。上階は事務室らしき広めの部屋とベランダがある。二階にいる二組の男女は病院の職員なのだろうか。一階には四部屋の病室が並び、数名の入院患者が過ごしている。テレビのザッピングのように断片的な場面が乱暴に切り替わり、それぞれの場面ではグロテスクでユーモラスなエピソードが展開する。性的妄想と狂気についてのステレオタイプがきわめて洗練された表現によって次々と、ナンセンス詩の連鎖のごとく、展示される。ひねくれた諧謔に満ちたかっこいい舞台だった。