http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3159.html
- 作:近松門左衛門
- 作曲:野澤松之輔
曾根崎心中(そねざきしんじゅう)
生玉社前の段
天満屋の段
天神森の段
避けようと思えば避けられたはずの悲劇。だが若い二人は死による愛の完遂という物語に陶酔し、死神に魅入られたが如く死に急ぐ。倒錯的な愛の快楽に溺れていたのだ。変態的な情念の世界。こういう世界を娯楽として味わうのだから、江戸観客の芝居民度は相当なものだ。
三幕目の演出が素晴らしい。とりわけ心中の場面の壮絶な演劇美にしびれる。三味線の合奏がじゃんじゃんとリズムを刻む中で、刀で突き殺すという凄惨な死の場面が台詞のないまま演じられる。これがむちゃくちゃかっこいい。