http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2010/02/post_53.html
- 一、壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)座頭沢市 三津五郎 観世音玉太郎 女房お里 福助
- 評価:☆☆★
- 二、高坏(たかつき)次郎冠者 勘三郎 大名某 彌十郎 太郎冠者 亀蔵 高足売 橋之助
- 評価:☆☆☆☆
- 三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序幕 吉原仲之町見染の場より 大詰 立花屋二階の場まで
佐野次郎左衛門 勘三郎 八ツ橋 玉三郎 九重 魁春 治六 勘太郎 七越 七之助 繁山栄之丞 仁左衛門
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- 評価:☆☆☆☆
- 劇場:歌舞伎座
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三月は見に行く時間をとれそうにないし、四月のチケットは在仏中で取れるかどうかわからないので、二月の夜公演が多分私が現歌舞伎座で見る最後の公演になると思う。
「壺坂霊験記」は初見。三津五郎と福助。盲人の夫と妻がよりそってひっそり暮らしている。二人はある夜、観世音菩薩が本尊である壺坂寺へ参拝する。男は盲人であるために妻に苦労をかけていることを気に病んで崖から飛び降りる。妻はそれを知ると絶望して夫の後を追って崖から飛び降りる。すると観世音菩薩の奇跡で二人は命を救われ、しかも男は目が見えるようになっていて大喜び、という話。素朴な仏教説話そのままといった感じ。地味で暗くて単調でつまらない話だった。2/3ぐらい眠ってしまう。
「高坏」は高下駄を履いた次郎冠者(勘三郎)のタップダンスさながらの舞踊が楽しい。タップダンスの場面の直前に「待ってました」と大向こうの声がかかる。すると勘三郎はそのかけ声のほうに上目遣いの悪戯っ子のような表情でウインクをするのだ。客席、大いに沸く。愛嬌たっぷりの勘三郎の踊りを堪能する。
「籠釣瓶」はあばた面の醜男、佐野次郎左衛門を勘三郎、花魁八ツ橋が玉三郎という絶好の組み合わせ。栄之丞が仁左衛門。何年か前に吉右衛門が次郎左衛門、福助が八ツ橋の組み合わせで見たことがある。各幕に見せ場があり、大いに楽しんだ。ずーっと人の良いおじさんだった次郎左衛門が最後の最後に大転換し、一気に殺戮恐怖芝居になってしまう激しさ、破壊力が素晴らしい。幕切れの台詞が「籠釣瓶はよく切れるなぁ」だからなあ。凄すぎて笑ってしまう。