閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

オズの魔法使い

人形劇団プーク
http://www.puk.jp/repertory/oz/oz.htm

プークの人形劇は三月末の『ねぎぼうずのあさたろう』以来だ。『ねぎぼうず』は息子と観に行った。今日と同じ紀伊國屋ホールでの公演だったが、地震直後の公演だったため客席は半分も埋まっていなかった。余震や原発、電力不足の不安のなかでの公演であり、がらんとした劇場と町に胸が締め付けられるような思いがした。

五ヶ月だった今日の公演はほぼ満席だった。休憩一五分を含み二時間の上演時間。プーク人形劇としては長尺の部類であるが、脚本がうまく整理されていてテンポがよく、長さは感じなかった。今日は珍しく妻も含め、家族四人で見に行った。五歳の息子も集中力を切らせることなく舞台に見入っていた。
等身大かあるいはそれより大きいスケールの大型の人形を使った芝居だった。映画で有名なナンバー《虹の彼方に》が劇中で聞けるのかなと思っていたのだけど、歌曲はオリジナル・ナンバーのみ。竜巻の場面とか舞台美術としてちょっとしょぼさを感じる場面もあったけれど、比較的簡素な美術を使ってもたつくことなく、変化に富んだ舞台を作り出していたと思う。ギャグは少なめだったけれど、展開の面白さで観客を飽きさせない。悪い魔女の巨大すぎる胸やその手下のショッカーみたいな連中の不気味さにちょっと笑う。息子は本気で怖がっていたが。定番の物語を奇をてらうことなくオーソドックスに人形劇化した感じ。妻は紀伊國屋ホールでのプークの公演をこれまで何回か見ているが、今回の公演が一番面白かったそうだ。

主人公の女の子が飼っている子犬の動きがとても可愛らしく、印象に残った。