TRASHMASTERS vol.19 『極東の地、西の果て』
- 作・演出 中津留章仁
- 音楽:高畠洋
- 映像:Scratch Alliance
- 舞台美術:原田愛
- 照明:宮野和夫
- 音響:佐藤こうじ[Sugar Sound]
- ヘアメイク:奥野展子
- 舞台監督:白石定[Stage Works]
- 出演:カゴシマジロー、吹上タツヒロ、阿部薫、星野卓誠、龍坐、川﨑初夏、林田麻里
- 劇場:下北沢 本多劇場
- 上演時間:3時間15分
- 評価:☆☆☆★
夏ばて状態での観劇だったのできつかった。しかも密度の高い対話の続く、暑苦しい内容の芝居だったので尚更。
トラッシュマスターズの公演は3月に見た『来訪者』がはじめてで、今回が二回目。『極東の地、西の果て』は再演作品。2000年から活動している団体だが、本多劇場進出は昨年の夏公演『背水の孤島』からである。この『背水の孤島』は高い評価を獲得し、一気に注目されるようになった。それまでは駅前劇場やタイニイアリスが公演会場だった。
社会問題としっかり向き合った骨太な主題を扱うストレート・プレイの劇団であり、前作は尖閣諸島問題がテーマだった。5、6年ぶりの再演となる今作は、芸術と経済活動の問題、そしてTPPの農業問題が扱われていた。
前作『来訪者』が面白かったため、今回は期待して見に行ったのだけれど、再演作品の割には設定や展開が荒っぽい。前半、「学校」という巨大美術学校が地域経済を掌握していくという設定のアイディアは独創的で面白かったけれど、後半の荒唐無稽さには展開上のリアリティを感じることができず、私は入り込めなかった。