閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

親子寄席(柳家喬太郎)と見世物小屋(靖国神社、みたままつり)

三鷹市芸術文化センターの親子寄席に、小2の息子と息子の同級生の友達を連れて行った。三鷹芸術文化センターの夏の親子寄席は今年で第14回で、今年は柳家喬太郎師匠。学校寄席をよくやっていたという話も聞いたことがあったけれど、喬太郎師匠の話芸は子供もすんなり世界に引き込んでしまう。喬太郎師匠の出番は最初と最後。

 

最初は落語の約束事について定番的説明をするのだけれど、そばをすする所作だけで子供たちを大いに沸かせる。定番的手順の崩し方が実に巧いのだ。客席の雰囲気をさっと作ると、最初は「てんしき」。子供たちは大うけ、大爆笑。もちろん大人が聞いても面白い。今日は親子寄席とはいうもの、大人だけの観客もかなり多かった。 

 

喬太郎師匠のあとはさん喬の弟子の喬四郎の「寿限無」。この秋に真打ち昇進が決まったそうだが、うーん、イマイチ。私は寝てしまった。 

それから女流講談師の一龍斎貞寿の「村越茂助(左七文字の由来)」。ホワイトボードに実際に字を書くという演出を使っていた。この演出は子供たちにもよく受けていた。私も楽しんで聞くことができた。 

15分の休憩を挟んで、ダーク広和の地味だけれども実は凄い手品、そして締めは喬太郎師匠の「初天神」。喬太郎師匠は必ずしも子供向きにことばをやさしくしたりはしない。子供にはわからないような言葉や大人向きの黒いギャグもさらっと入れる。「初天神」の親子なんて、私と子供の関係にそもまま重なってしまう。親をやりこめる子供の生意気なことばに、子供たちは大喜びしていた。このあと、靖国神社のみたままつりに行くのだから、子供たちにとってはかっこうの予習になった。息子も息子の友達も初落語だけれど、とても楽しんでた様子だった。さすが喬太郎師匠。 

 

雷雨のため、何度か足止めとなったけれど、六時過ぎに靖国神社に到着。雷雨のときは見世物小屋興行が中断していたとのことで、再開前のちょうどいい時間帯に見世物小屋に到着した。今年の見世物小屋はゴキブリコンビナートのプロデュースである。最前列かぶりつきのベストポジションを確保する。今回の出し物は、ろうそくの炎を食べるアマゾネス、逃れられない病気老人、巨大寄生虫を腹に飼っている男、芋虫を食する蛇女、ほおに針金串刺しの縄文人など。猟奇的、悪趣味、グロテスクな見世物ばかりであり、教育的、倫理的にはまったくお勧めできない。うちの息子はともかく、息子の友達を連れて来たのはまずかったかな、と病気マンの痙攣場面のときに思ったけれど、仕方ない。最前列かぶりつきということで迫力満点だった。特に蛇女の暴れっぷりは素晴らしい。子供二人は顔面蒼白で凝視していた。うちの息子は大喜びであとで写真を大きくプリント・アウトして欲しいと言っていたが、息子の友達は無言だった。楽しかったのかな。 

 

見世物小屋のあとは、伝統的夜店娯楽の射的。500円でうまい棒一本しか獲得できないのだが。七時過ぎると人出がすごいことになった。あんず飴を買って帰る。 

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見世物小屋の入場待ち。へび女、縄文人、アマゾネス、逃げ遅れた病気老人、首狩族など。

 

ああ楽しかった。