閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ブルース・ブラザーズ

音楽映画を劇場で観て,さらに音楽映画を観たくなってDVDを借りる.『ブルーズ・ブラザーズ』は僕にとって最も思い出深い映画の一つ.日本での上演時,僕は丸坊主の中学生だった.友人とか親とかあるいは一人でか忘れてしまったが,とにかくこの映画を観たときの衝撃はすごかった.ナンセンスなギャグ,リズム・アンド・ブルース,ダンスのかっこよさにたちまち魅了されてしまったのだ.パンフレットを何度も何度も読み返したのを覚えている.とにかく何も知らない中学生がいきなり麻薬の味を覚えて,のめりこんでしまうような,そんな熱狂にとらわれたのである.今日でこの映画を観るのはおそらく三度目.映画館で見た何年後かにテレビで放映されたのを観たような気がする.今回は何年ぶりかの鑑賞ではあるが,そんなに回数を観ていないにのにも関わらず,細部まで覚えていることに驚いた.やっぱり中学生のまっさらな頭に刻み込まれた記憶は鮮烈なものだったのだろう.もちろん最高に楽しめた.
ブルース・ブラザーズ』は1998年に『ブルース・ブラザーズ2000』というタイトルの続編が作られている.あれほど『ブルース・ブラザーズ』に熱狂したのに僕は続編は観に行っていないし,いまだ未見のままである.1983年にジョン・ベルーシは急死したため,続編はダン・エイクロイドしか出ていないはず.続編が,あのすばらしい『ブルース・ブラザーズ』の醜悪なパロディのようなものであったらいやだなあと思い,僕は観に行くことができなかった.10代前半,思春期が始まる頃に僕に深い影響を残したこの映画は,僕にとって特別な思い出になっていたのである.