- 製作年度:2003年
- 製作国・地域:フランス
- 上映時間;95分
- 監督:ジャン・ベッケル
- 原作:ミシェル・カン
- 脚本:ジャン・ベッケル 、ジャン・コスモ 、ギョーム・ローラン
- 音楽:ズビグニエフ・プレイスネル
- 出演:ジャック・ヴィユレ 、アンドレ・デュソリエ 、ティエリー・レルミット 、ブノワ・マジメル 、シュザンヌ・フロン
- 場所:シネスイッチ銀座
- 評価:☆☆☆
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原題は“Effoyables jardins”.「恐るべき庭」.うーん,よくわからないタイトル.なぜ複数形なのかもわからない.ナチ占領下のフランスにおける心温まるエピソードを描くヒューマン・ドラマ.題材からして既に臭ってきそうな陳腐なメッセージ.普通だったら僕の嗜好からは外れていて観に行くことのない作品だが,映画評で評価が高いことと,このところフランス映画を観ていないこともあって,「お勉強」も兼ねて鑑賞した.
よくできていた.ナチ占領下のありふれた悲劇を,愚かで無邪気な人間のささやかな虚栄にからめて描くところには新味もある.ナチもこの種の映画にありがちな,過剰に図式的な悪としては描かれていない.ただ設定の細かいところでツメが甘く,雑に感じられるところがある.ピエロを演じるヴィユレの娘の恋愛は? 息子がお話を聞いただけでピエロを演じる父への評価が180度変ってしまうのは安易すぎるのでは? 三角関係があんなにうまく解決して,その後も円満なんてきれいごとすぎないか? かつてドイツ兵の最終的には自身の死と引き換えになってしまう道化の演技もその動機が説明不足では? うんぬん.
ジャック・ヴィユレのピエロでの演技が面白くないのも興ざめ.センチメンタル過ぎる音楽も戴けない.
僕の趣味ではないし,欠陥も多い作品..健全すぎて退屈な教育的映画である.それでも泣かされてしまったのだからなぁ.泣かしてやるぞ,という「雰囲気」についついのまれちゃったんだ.