閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

第21回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演

title

高校総合文化祭は高校文化部のインターハイ的なものらしい。この総合文化祭で優秀賞を受賞した高校の舞台公演が国立劇場で行われる。
こうした催しがあるのを私は知らなかったのだが、今年は弘前中央高等学校演劇部による柴幸男氏作『あゆみ』が上演されることをtwitterで知って観に行くことにした。二年前に私はこの作品の初演をこまばアゴラ劇場で見て大きな感銘を受けたのだ。

28、29日の二日にわたって国立劇場での公演があるが、今日は弘前中央の『あゆみ』以外に、演劇部門で最優秀を受賞した群馬県立前橋南高校の公演もある。演劇部門以外では、オープニングに集団による創作ダンス、邦楽部門で琴の合奏が二校、郷土芸能が二校の公演があった。初日の今日は午後1時から午後5時半まで。入場料は無料であるが座席引換券が必要となる。座席引換券はぴあのステーションで無料配付していた。
一階席は埋まっていたが、二階三階席は半分ほどの入りだった。私は開演15分ほど前に座席引換券を手に入れたが、座席は二階席の前から3列目、通路側だった。最初のほうに行われる邦楽部門と伝統芸能部門の演目が終わるとかなり多くの観客が演劇部門を見ずに帰ってしまうらしい。

演劇部門の二校についての感想はまた別に書く。

創作ダンスは四校のパフォーマンスがあった。いずれも選曲がいいし、衣裳がとても美しい。主催者の挨拶のあと、邦楽部門の優秀校二校の演奏。いずれも箏の合奏だった。箏曲の世界についての知識がまったくない私にはうーん、なるほどという感じ。どちらも西洋音楽っぽいのりの作品だと思った。

郷土芸能は最初に演奏した宮崎の太鼓合奏、「宮崎 神楽の響き」が素晴らしかった。演者四人だけにも関わらずその勇壮かつ華麗なパフォーマンスは圧巻だった。太鼓を叩いている姿がダイナミックでしかもダンスのような美しさを持っている。怒濤のごとくの演奏ぶりに会場中が魅了されていたと思う。青森の田子高等学校の「田子の社の芸能」(神楽と盆踊り)も踊りのキレのよさと優美さの対照が印象的だ。衣裳も美しい。二演目とも郷土芸能とはいえ、構成、照明、動きなど舞台での効果を考慮した演出が加わっていた。