閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

ヒステリア あるいは、ある強迫神経症の分析の断片

http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
HYSTERIA or Frangments of an analysis of an obsessional neurosis by Terry Johnson

  • 作:テリー・ジョンソン
  • 翻訳:小宮山智津子
  • 演出・台本:白井晃
  • 美術:松井るみ
  • 照明:齋藤茂男
  • 衣裳:太田雅公
  • 舞台監督:勝康隆
  • 出演:串田和義、荻野目慶子、あさひ7オユキ、白井晃
  • 上演時間:2時間5分
  • 劇場:三軒茶屋 シアタートラム
  • 評価:☆☆☆
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ロンドンに居を移したフロイトの最晩年の一日の出来事。日の出前の早朝、雨の中、一人の見知らぬ女性がフロイトの書斎を訪れる。彼女は奇矯な言動でフロイトを翻弄する。その日の昼、フロイトが主治医のヤフダと話していると今度はシュールリアリズムの画家ダリがフロイトを訪問する。
前半はドタバタ風の喜劇、後半はかつてフロイトが治療したヒステリー患者の治療記録とともにフロイト自身のオプセッションが顕在化していき、悪夢的なイメージで舞台は浸食されていく。

凡庸なテクスト。掃いて捨てるほどありそうな精神分析もので目新しさに乏しい。この作品は昨年パリ滞在時にどこかの劇場でやっていて、その劇評での評点がかなりよかったのが記憶に残っていた。その作品を白井晃が演出ということで足を運んだのだが期待はずれ。テクストを表層をなぞっているだけのような仕掛けに乏しい展開に退屈を感じてしまう。達者で個性的な役者をそろえているわりにはつまらない舞台だった。