子供ためのシェイクスピア
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- 作：ウィリアム・シェイクスピア（小田島雄志訳による）
- 脚本・演出：山崎清介
- 照明：山口暁
- 衣装：三大寺志保美
- 出演：石田圭祐、伊沢磨紀、彩乃木宗之、戸谷昌弘、キム・テイ、若松力、窪田壮史、山崎清介
- 上演時間：２時間２０分（休憩１５分）
- 劇場：代々木 紀伊国屋サザンシアター
- 評価：☆☆☆☆★
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いつも感心するのだけれど、テクスト・レジがとてもうまくできている。
単に枝葉末節を削って物語の筋道をはっきりとさせるだけでなく、今日の『マクベス』では物語展開の面からはノイズに思えるような部分を逆に膨らませて、喜劇的な雰囲気を場に作り出してた。特に冒頭部分の展開のスピード感は爽快に感じられる。シェイクスピア劇は最初から中盤にかけてはもたもたしているように感じられることが多いのだけれど、子供のためのの舞台では一気に作品の世界に引き込まれてしまう。
椅子と机しか用いない舞台美術はシンプルだが融通無碍だ。役者の動き、衣装の早変わり、そして照明効果などのディテイルに神経が行き届いていて、とてもかっこいい舞台だと思う。一見地味な視覚面もシャープで洗練されている。
今の日本のシェイクスピア上演のなかでは、最も正統的な作品作りを子供のためのシェイクスピアでは行っているように僕は思う。
祝日のマチネ公演を見に行ったので小さな子供連れの観客が多かった。でもこの公演は子供向きとは必ずしも言えない。台詞のことばは難しいまま使われている場合が多いし、子供向けを強く意識したアレンジではない。どちらかというと大人向けだけれども子供も楽しめないことはない、公演であるような。中学生以降の子供だったら話の展開も味わった上で面白く見ることができるかもしれない。
