閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

現代能楽集 イプセン

燐光群

http://www.alles.or.jp/~rinkogun/ibsen.html

* 原作:イプセン
* 翻案・構成・演出:坂手洋二
* 照明:竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 
* 音響:島猛(ステージオフィス) 
* 美術:伊藤雅子・じょん万次郎 
* 衣裳:伊藤雅子 
* 振付協力:矢内原美邦
* 上演時間:2時間半
* 劇場:伊丹 AI・HALL
* 評価:☆☆☆☆

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『現代能楽集 イプセン』、二回目の観劇。ちょうど帰省中に、帰省先から一駅のところでこの公演をやっていたのだ。この演目の千秋楽の公演を見に行く。
東京で見たときより、それほど大幅に変化しているような感じがしなかった。扱われている4編の翻案のなかでは、やはり『野鴨』の部分が僕には圧倒的に面白かった。原作の象徴性がより濃縮され、効果的に提示されているように思えた。
各編ともよくできているのだけれど、『人形の家』と『ヘッダ・ガブラー』は冗長に感じられた。台詞の密度が濃すぎるため、見ていて息を抜ける部分が少なくて、少々疲れた。馬渕英俚可が公演。ノラもよかったけれど、『野鴨』のギーナがとてもいい。彼女の芝居は芯があって、どこか不敵な自信に満ちているように感じられる。
ヘッダ・ガブラーの紺野美沙子、雰囲気は悪くないのだけれど、台詞の言い方が単調で物足りない。7月に見たメジャー・リーグ製作の同作の小沢真珠のいかにも意地悪で加虐性の感じられるヘッダのほうが僕は好きだ。