閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

この自由な世界で

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この自由な世界で(2007) IT'S A FREE WORLD...

  • 上映時間:96分
  • 製作国:イギリス/イタリア/ドイツ/スペイン
  • 初公開年月:2008/08/16
  • 監督:ケン・ローチ
  • 製作:レベッカ・オブライエン
  • 脚本:ポール・ラヴァーティ
  • 撮影:ナイジェル・ウィロウビー
  • 衣装デザイン:キャロル・K・ミラー
  • 編集:ジョナサン・モリス
  • 音楽:ジョージ・フェントン
  • 出演:カーストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、レズワフ・ジュリック
  • 評価:☆☆☆☆★
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移民への労働斡旋の会社に勤務してたシングル・マザーがリストラされたあと、自身が友人と移民相手の労働斡旋所を立ち上げる。
侮蔑的待遇でプライドをずたずたにされならも異国で生活の基盤を築こうとする移民たちも必死だが、会社を立ち上げた二人の女性も自分たちの生活のために格闘している。ひどい条件で働かざるをえない移民たちの境遇に同情しつつも、彼女は移民たちから不当な搾取を行うことで自分の生活を守ろうとする。
弱者がさらに弱い者を搾取し、抑圧するという現代社会の惨状をわかりやすく伝える名篇。仕事を与える側と与えられる側の権力関係のグロテスクなありさまを冷徹に描いている。
非正規雇用者にももちろん家族と生活がある。しかし非正規雇用者がかかえる生活の重みをまったく考慮せず、不必要になれば一方的に契約を解除する雇用側の傲慢と無慈悲は糾弾されてしかるべきだ。家畜や奴隷のごとく扱われた者どもの怨念は深い。