穂村弘(光文社,2005年)
評価:☆☆☆★
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著者はblogやmixiではやった「人生の経験値」リストの元となるエッセイを書いた人.歌人,エッセイスト,翻訳家として多くの著書・翻訳絵本がある.
『現実入門』の中で,彼の「経験値」リストで未経験となっている項目を,担当編集者とともに一つ一つ体験していく様子が記述されている.著者はもともとひきこもり体質で経験値がかなり低い人物である.ここで報告されている40を過ぎてはじめて経験する事柄のハードルも高いモノではない.「献血」「健康ランド」「モデルルーム見学」等々.著者の自己を客観的に自虐的に観察する姿勢が肩の力の抜けたユーモアを作り出す.
ただしこの著作では,著者の体験そのものよりも,著者が担当編集者に抱く恋愛妄想のリアリティのほうがはるかに面白いと僕は思った.「体験レポート」のおもしろさは著者が企画に飽きてしまったのか段々尻すぼみな感じ.