閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

アンチクライスト(2009) ANTICHRIST

トリアーならではの悪趣味を堪能することができた。醜悪でおぞましいシークエンスの重なりのなかに聖性を帯びた崇高な美を印象的に描き出すという対比の美学。「身体をはった」演技という紋切り型を使うのを躊躇するほど壮絶でえげつない性の妄執を再現したシャルロット・ゲンズブールの演技は圧巻だった。直視することがつらく感じるような生々しい痛みの描写がいくつかった。この作品についてはぼかしが入っていて私は助かった。