閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

君の名は。

君の名は。

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伏線が巧みに回収される脚本はよくできている。田舎の風景、習俗の丁寧な描写もよかった。しかしこうした青春アニメで具現化される主人公の男女の人物造形には、私はまったく共感できない。可愛くて溌剌としていて真面目な女の子という作り手や観客の願望が露骨に投影されたヒロインにはリアリティを感じないし、男の子も変に行儀がよくてその言動がかっこよすぎるように思える。細田守の『時をかける少女』でも同じような居心地の悪さを感じたのだけれど、こうした男女像が若いカップルの定型、ある種の理想的モデルとなっているのだろう。こういうファンタジーのなかには私は居場所がないなと思う。