- 上映時間 122 分
- 製作国 アメリカ
- 監督: ジョン・ラセター John Lasseter
- 製作: ダーラ・K・アンダーソン Darla K. Anderson
- 脚本: ジョン・ラセター John Lasseter ドン・レイク Don Lake
- 音楽: ランディ・ニューマン Randy Newman
- 劇場: 豊島園 ユナイテッド・シネマとしまえん
- 評価: ☆☆☆☆☆
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五歳の娘と日本語吹き替え版を観る.
ピクサーの前作『ミスタ・インクレディブル』を観に行った時に,『カーズ』の予告篇を観た.そのときは非生物である機械の擬人化アニメ,それも自分はあまり関心のない車が登場人物となると,物語に入り込むのは難しいのではないかと思い,ちょっと否定的な印象を持ったのだが,ピクサー・スタジオの作る作品にはやはりはずれがない.きわめてリアルで緻密に表現された質感と背景,巧みにデフォルメされつつもCGのリアルな部分と調和した魅力あるキャラクター・デザインといった技術的な部分に圧倒されるだけでなく,各キャラクター設定のバランスのよさ,吟味された脚本,シンプルでオーソドックスながらしっかりと構築された展開など物語の部分もしっかりと作り込まれている.BGMとしての音楽の使い方も定型的で意外性はないが,選曲やその使用法はとても洗練されドラマを効果的に盛り上げる.
「勝ち組」人生を突っ走ってきた「若者」がちょっとした躓きに遭遇することで,それまで彼に欠落していた人間的価値を見い出し成長していくという,きわめて健全で道徳的な内容の物語にもかかわらず,驚異的な密度の映像表現のマジックと練り上げられた脚本で,大人の観客まで引き込んでしまう充実した作品である.ユナイテッド・シネマでは200席弱の部屋が8割埋まっていたが,この傑作の動員力が同時期に上映されている他の子供向きアニメより劣っているという現実が信じがたい.