閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

《タイトル》真珠の耳飾りの少女
《監督》[ピーター・ウェーバー]
《キャスト》[スカーレット・ヨハンソン]/コリン・ファーストム・ウィルキンソン
《劇場》シネ・リーブル池袋

フェルメールの一枚の名画にインスピレーションを受け,想像された美しい逸話.フェルメールの絵画の饒舌さを改めて認識する.
音楽が美しく,静謐な映像世界の情感を盛り上げる.
監督はこれが最初の長編作品だとのことだが,このある意味ありきたりで通俗な画家とモデルのほのかな恋愛の物語を,ここまでドラマティックに演出できる才腕はただものではない.
ラストシーンで真珠が手渡されることはほとんど予想されている.それでもなおあの名画が映し出されるラストシーンに,わくわくするような期待感を覚え,エンディングに大きなカタルシスを得ることができるのだ.
地味でありきたりな物語にもかかわらず,その映像の美しさ,演出,そして主演女優の魅力ゆえ,いっときも退屈せず.至上の時を過ごす.