閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

グラディエーター


グラディエーター(2000) GLADIATOR

古代ローマ遺跡、コロッセウムで行われたスペクタクルで最も人気があったのは野獣と人、あるいは人と人が剣をもって殺し合いを行うという残虐な見せ物だったらしい。最近コロッセウムのスペクタクルの様子を紹介した書籍を読んで(

コロッセウムからよむローマ帝国 (講談社選書メチエ)

コロッセウムからよむローマ帝国 (講談社選書メチエ)


、当時のスペクタクルの様子が写実的に映像化されているというこの映画を見てみたくなった。
話自体は史実からとられているというわけではないようだ。旧皇帝の寵愛を受け、次期皇帝の座を約束された勇者が、皇帝の息子の謀略によって家族を焼き殺され、本人はとらわれる。牢を脱出した勇者は、行商人に拾われ、剣闘士奴隷として第二の生を送ることになる。新皇帝の即位によって、旧皇帝のもとでは禁止されていたローマでの剣闘士のスペクタクルが復活する。勇者は剣闘士奴隷としてローマに入場し、皇帝と再会する。
剣闘士のスペクタクル場面は、倫理コードぎりぎりだったらしいが、もっとたっぷり堪能したかった。書籍の記述を読む限り、本当の剣闘士スペクタクルの残虐ぶりは映画の場面よりさらに陰惨であったように思える。主演のラッセル・クロウもよかったが、皇帝役のホアキン・フェニックスの表情もよかった。小心で神経質でエキセントリックな皇帝の雰囲気がよく出ていたように思う。
DVDで観たけれど、やはりこの映画は大画面で観た方が圧倒的に面白いはずだ。