閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

マンマ・ミーア!

http://www.mamma-mia-movie.jp/
マンマ・ミーア!(2008) MAMMA MIA!

ABBAのヒット曲だけをつかったミュージカル舞台の映画化。このように既存のヒット曲を流用して構成することで作られたミュージカルの製作は近年盛んになっていて、「ジュークボックス・ミュージカル」と呼ばれるらしい。
ABBAは僕が小学校高学年から中学生の頃にかけて人気があった。僕自身もその華やかで力強いコーラスとポップで親しみやすいメロディが当時とても好きでよく聞いていた。
雑誌やブログでのレビューの評価はいま一つだったけれど、ABBAのコーラスとメロディを久々に聞きたくなって観に行くことにした。
既存のヒット曲を物語に組み込むというつくりなので、音楽がストーリー展開にそれほど効果的にからんでおらず、歌の場面は通常のミュージカルよりぎこちない感じがした。それでも久々に聞くABBAの曲は心地よかったし、懐かしい気分にひたることができた。人物設定やお話自体も面白いと思った。娘役のアマンダ・セイフライドが、ほんと「ピチピチ」としたはじけるような溌剌さがあってとても可愛らしい。

エーゲ海の島にあるホテルが舞台。母と娘が二人で暮らしている。娘の結婚式の前日から当日にかけてがドラマになっている。
娘に父親はいない。母親のかつての日記を盗み読みしたところ、娘の父親となる可能性のある男性は三人いたことがわかる。20年前の夏に母親は3人の男と関係を持ったことが日記には記されていたのだ。父親とヴァージン・ロードを歩きたい、父親を呼ぶことを結婚式のサプライズにしたいと考えた娘は、三人の男の居場所を調べだし、母親の名前で結婚式の招待状を送る。実際に会ってみれば、三人のなかで誰が自分の父親であるかは一目瞭然だと娘は考えたのだ。
母親のかつての三人の恋人が島にやってくる。しかしそのうち誰が娘の本当の父親であるかは、娘にも母親にもやはり判然としなかった。三人の男たちは自分たちこそ娘の父親であると信じ込んでしまう。

お話をどう収束させるのかなと思って観ていると、ラストは脚本家が途中で執筆を投げ出してしまったかと思うようなぞんざいなもので興ざめしてしまう。がっかり。あれじゃあ爽快なハッピーエンドにならない。