閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

空気人形

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新宿バルト9に『空気人形』初日舞台挨拶付き上映を見に行った。わざわざ事前にチケットを予約して、映画の舞台挨拶を見に行くのはこれが初めてだ。映画を見に行ったらたまたま出演者舞台挨拶をやっていた、というのは何回かあったけれど。『空気人形』の主演女優のペ・ドゥナの大ファンなのだ。一度、生で彼女を見てみたかった。彼女の映画出演は前作、ポン・ジュノの『グエムル』以来、3年ぶりになる。

発券した予約チケットを見ると、開演が10時から、舞台挨拶は上映前に行うとあった。それで10時から映画上映が始まるのかな、と思い、9時20分ごろに映画館に到着したのだけれど、舞台挨拶自体が10時開始だった。舞台挨拶にやってきたのは是枝監督、ペ・ドゥナ板尾創路、ARATAの4名。板尾は8時45分に起きたばかりだと言う。4人ともどこか眠そうで、けだるそうな感じで、えらくテンションの低い舞台挨拶だった。ARATA、板尾は何を言いたいのかわけのわからないことをぐだぐだ答えていたし。まともなことを言っていたのはペ・ドゥナだけかな。クランク・アップしてからもずっと空気人形がとりついていたみたいな感じで、ふわふわとたよりなく日々を過ごしてきたけれど、今日でようやく人形から解放された感じ、というようなことを言っていた。生のペ・ドゥナは細くて、背がかなり高い。強い光を放つ大きな目にすいこまれてしまいそう。前から8列目の座席だったけれど、もっと近くで見たかった。

ある日、突然心を持ってしまったダッチワイフの話。町を自由にめぐり歩く中で、このダッチワイフは人間たちが抱える様々な孤独、寂しさ、空しさ、そして優しさに出会う。僕にはちょっと甘くて、感傷的すぎるファンタジーではあったけれども、ペ・ドゥナの魅力は十分に堪能することのできる作品だった。彼女の美しいヌードも見ることができる。猛烈に切ない映画だった。もう一回見に行くかも。