閑人手帖

このブログは私が見に行った演劇作品、映画等の覚書です。 評価、満足度を☆の数で示しています。☆☆☆☆☆が満点です。★は☆の二分の一です。

クロード・ガニオン『KEIKO』(1979)

KEIKO

KEIKO

 
 
  • 上映時間:117分
  • 製作国:日本
  • 公開情報:劇場公開(ATG)
  • 初公開年月:1979/11/17
  • ジャンル ドラマ/ロマンス
  • 監督: クロード・ガニオン 
  • 製作: ユリ・ヨシムラ=ガニオン 
  • クロード・ガニオン 
  • 脚本: クロード・ガニオン 
  • 撮影: アンドレ・ペルチエ 
  • 美術: 橋本敏夫 
  • 編集: クロード・ガニオン 
  • 音楽: 深町純 
  • 出演: 若芝順子、きたむらあきこ、池内琢磨、橋本敏夫、中西宣夫
  • 評価:☆☆☆☆★

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監督クロード・ガニオンがケベック出身ということで前から気になっていた作品だった。大学を卒業し、京都で一人暮らしをはじめた女性のvita sexualisをドキュメンタリー・タッチのハイパーリアリズムで描いた傑作だった。23歳で一人暮らしをはじめた女性のよるべなさ、孤独感、そしてその孤独感ゆえに恋愛を求める心理が丁寧に描写されている。FUKAIPRODUCE羽衣の《サロメvsヨカナーン》のリフレインで「ひとりぼっちよりもましだから愛している」に深く共感したが、この映画を見ても人は寂しからこそ恋をしてしまうんだなということがよくわかる。

主人公KEIKOは、大学を出て一人暮らしを始めるが、まず高校時代の先生を飲みに誘い、先生を誘惑して初体験をすませる。その後、行きつけの近所の喫茶店で知り合った若い男性に恋をし、彼との関係に溺れるが、その男が既婚者であることを知り、深く傷つく。会社の同僚の若い男性が彼女に接近するけれど、失恋直後の傷心の彼女はその男とは恋愛する気分になれない。彼女のアパートに遊びに来た会社の同僚の同性愛者の女性とKEIKOは関係を持ち、彼女と古い和風の家屋で同居生活を始める。彼女との生活でKEIKOは精神的な安らぎを得るが、結局はこの女性との共同生活を一方的に破棄し、親が勧める見合い相手と結婚する。
こんな性遍歴を送る女性というのは本当にいそうだ。

主演のKEIKOを演じた女優、若芝順子はこの作品にしか出演していない。当時現役の京大生だったそうだが、彼女のおっぱいが美しく、そのたたずまいは清楚にして非常にエロチックだ。彼女のルックスのみならず、映像の雰囲気、ダサい音楽が作り出す昭和的世界が実にいい。